楽天市場の送料無料化と独禁法違反

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2019年1月末に発表された「楽天市場の送料無料化」の具体的な内容が8月に発表され、10月に一方的な楽天の施策に反発する出店者が「楽天ユニオン」という組合を設立するに至った。

楽天ユニオン

楽天市場の送料無料化案は 沖縄・離島を除く国内が 税込 3,980円以上、沖縄・離島は 税込 9,800円以上で 出店者が送料を負担するというもので 2020年3月から開始予定。

楽天が意識している Amazon は 非プライム会員でも 注文金額が2,000円以上なら送料無料になるが、これは Amazon が自社の物流倉庫から出荷する商品のみで、Amazon への出店者が独自で発送する場合は送料の設定が可能になっている。

配送料は取り扱い量や配送元の立地によって異なるが、2017年に ヤマト運輸が Amazon から撤退すると同時に送料の値上げを行った際、佐川急便や日本郵便なども揃って送料を上げたため、同時期に送料の改定を行った出店者は多い。

販売額の大きい出店者はスケールがあるので送料も安く、利益率の高い商品を扱っていれば 販売価格を据え置きで送料を完全自己負担にすることすら不可能ではないが、中小の出店者は現在の販売価格に送料を上乗せしないと商売が成り立たなくなる。
楽天ユニオンの主張にもある通り、商品代金に送料が上乗せされている場合、買えば買うほど消費者の送料負担が増加することになる。

送料無料が強行された後、楽天市場で生き残れるのは オリジナル商品を扱っている店舗と ある程度の送料負担を吸収できる中堅以上の店舗に絞られ、中堅未満の小型店舗は淘汰されていく。
ただ、それでも楽天に大きなダメージはない。
規模の小さな店舗は契約プランも安く、広告の出稿もほとんどないため、消えたとしても楽天は痛くも痒くもない。
すでに楽天は楽天カードをはじめたとした楽天経済圏を構築しており、小型店舗が多数閉店したところで 楽天市場自体の集客力に大きな影響はなく、逆に既製品などは競合する弱小店舗が消えることで 楽天市場を支えている中堅以上の店舗に売上が集約されるため、楽天と中堅以上の店舗にとっては ある意味で Win-Winだったりする。

2019年4月に公正取引委員会が実施した「デジタル・プラットフォーマーの取引慣行等に関する実態調査」の中間報告でも出店者の楽天市場への不満が顕著に現れていたが、楽天市場は独占禁止法の定める「優越的地位の乱用」に抵触しているおそれがあるものの、楽天には「消費者のため」「顧客を確保するため」という大義名分があり、送料無料化に大きなデメリットを感じない中堅以上の出店者は送料無料に賛同するはずなので、楽天ユニオンがどれほど頑張っても状況を覆すのは難しいと思われる。

楽天市場への出店者が独占禁止法違反を実感

公正取引委員会が実施した「デジタル・プラットフォーマーの取引慣行等に関する実態調査」の中間報告が発表された。 (平成31年4月17日) デジタル・プラットフォーマーの取引慣行等に関する実態調査について(中間報告) 今年2 […]

2020年2月10日には 送料無料の出店者負担の件で公正取引委員会が 独禁法違反(優越的地位の乱用)の疑いで 楽天本社へ立入検査を行ったものの、楽天は「Amazonに勝つため」という理由で送料無料を予定通りに行う模様。

楽天に立ち入り検査 出店者負担「送料無料」―独禁法違反疑い・公取委

担当営業が小さな店舗にも親身になってアドバイスをし、売上を積み上げていたのは 遥か昔の楽天市場。
以前は Yahooショッピングに出店しているところは必ず楽天市場にも出店していたが、最近は 楽天市場を閉店し Yahooショッピングにのみ出店 しているところも増えているように感じるが、まだまだYahooショッピングの集客力は楽天市場に及ばない。
2020年3月に楽天の送料無料が実施され、6月にはキャッシュレス決済のポイント還元事業が終了するので、2020年の夏場以降は中小零細の出店者にとっては正念場になる。


コラム

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