サイズとフィッティング

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スーツのサイズは靴ほどシビアではないものの、やはり「合うサイズ」というものには個人差がある。
オーダースーツを仕立てる際、仮縫いがあったり、見本服を着用するのは、客観的に数値化されない「客の感覚」という相対的品質を可視化するためのもの。

話題になった採寸用のZOZOスーツは便利なのだが、着心地を左右するのは「ゆとりサイズ」のため、採寸が出来ても自分に合った「ゆとりサイズ」が分からないと思ったようなスーツを仕立てることは出来ない。

スミス・エバンス効果

スミス・エバンス効果とは、国際標準化機構(ISO)が靴のサイズを標準化するため、サンプルとしてスミス夫人とエバンス夫人に同じ木型で作成した異なるデザインの靴をそれぞれ履いてもらったところ、1つ目のデザインはスミス夫人が 23.5 cm、エバンス夫人は24.ocm の靴を選び、2つ目のデザインは  スミス夫人が 24.0 cm、エバンス夫人は23.5cmを選んだことから名付けられた現象。

結局、現在も靴のサイズは客観的に数値化されない「相対的品質」として規格の標準化に至っていない。

JIS規格では「足長」と「ワイズ」で規定されているものの、同じ足長やワイズでも木型やデザインによって、合うサイズは異なってくる。

スミス・エバンス効果では、同じ木型を使用してデザインによって合うサイズが変化したのだが、サイズが合う・合わないは感覚に依るところが大きく、個人差がある。

感覚の可視化とスーツのシワ

スーツには標準の ゆとり量 があり、胸囲と胴囲、総丈(第七頚椎から床までの長さ)など身体の実寸が分かれば、標準的なサイズのスーツを仕立てることができる。
ただ、スミス・エバンス効果と同じで、標準サイズがフィットするサイズとは限らない上に、ファッションやスタイルは変化するため、標準サイズが最適解ではない。

本来 スーツは普通に立った姿勢でシワが入らないのが基本だが、一時期 流行ったタイトスーツは、シワが入っているのを良しとしたスタイルだったりする。

ゆとり不足

タイトスーツは ゆとりが不足しているので、着用すると至るところに サイズが小さい時の症状がでる。

フロント釦を留めると釦に向かって上下斜めにシワが走るが、これは胴回りのゆとり不足。
このX字のシワは出るか出ないかくらいが理想なのだが、巷のタイトスーツは一昔前なら太って腹回りが小さくなってしまった残念な感じと変わりない。

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胴回りの ゆとり が不足していると、生地が引っ張られるので前身頃だけでなく、背中にもシワが入ってしまう。

背中の腰付近で横にシワが入っている場合、大抵は蹴回し(裾周り)も不足しているので、ノーベンツだとヒップに引っかかってしまう。
ただ、タイトスーツはセンターベントかサイドベンツのため、ベントが開いて蹴回し不足が分かりにくい。

センターベントやサイドベンツはフロント釦を留めたまま座った際などに開くもので、普通に立った姿勢で開いているのは完全に蹴回しのゆとり不足。

ゆとり不足

胴回りのゆとりが不足していると、釦付近と背中の吊りジワと同時に、ラペル(下衿)が浮いてしまう。

ラペルが浮くの症状は女性のスーツに多く、バストとウエストの差が大きい場合、ウエストを基準にすると胸元が大きく開き、胸元の開きを抑えると腰回りがブカブカになって見栄えが悪くなるため、女性用のスーツは伸縮率の高いストレッチ素材を使用し、身体のラインを出すようなタイプが主流になっている。

タスキシワ

サイズが小さいと生地が引っ張られて横ジワが発生するが、サイズが大きいと生地が余って縦ジワが出る。

最も多いのが「タスキ」と呼ばれる肩から脇へかけて斜めに出るシワと、背中の袖付近に発生する余りジワ。

ただ、シワがない状態が基本とは言え、オーバーサイズが好みの場合も、タイトスーツが好みの場合もあり、最終的には着用する人が気に入ったサイズが最適解なので、採寸時に可能な限りフィッターへ要望を伝えることが重要だったりする。


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